昨夜は結構な雨が降った、
今朝、霧が立ちこめ神秘的な熊野らしい景色が広がった。
伯母子峠へのトレイルヘッドまで数分の舗装路、
名物の商店は、まだ早いのか閉まっていた、
トレイルに入り、しばらく行くとお地蔵さんの道標が、
右「かうや」とある、
道標に従い登っていく、
しばらくは細い尾根をジグザグに登っていく、
松林がきれいやった、
霧が森の中に入り
まさに信仰の対象となった山々を歩いている感じ、
待平屋敷の跡で思った、
小辺路が街道として栄えていた頃は、
たくさんの人がここを通りぬけ、
茶屋でくつろぎ、
また明治22年の大水害の後、十津川村の方々は、
決死の覚悟でこの道を北海道へ向かったんやなぁ、
石段は昔からの変遷をじっと静かに見守ってるんやなぁ。
水ヶ元茶屋の弘法大師の祠で般若心経をあげ、
上西家の跡までは気持ち良い尾根歩きでした、
しかし、高度が上がるにつれ、黒い雲が流れてきて
時雨れてきた、冷たい雨はきっついなぁ、
上西家跡に到着、
後で大股の津田旅館のご主人さんにお聞きしたけど、
今80歳のご主人が子供の頃はまだ人が住んでいたと言う、
かなり大きなお屋敷やったらしい、
伯母子峠が近くなってきた、
先日の雪が、日の差さない北斜面に少し残っていた、
上空を見ると西から雲がえらいスピードで流れていた、
今は稜線の東側に居るから風は無いけど、
さてさて、伯母子峠はどうなることか。
峠はやはりいい風が吹いてた、
避難小屋で小休止、
後は大股まで一気に下る、
しばしば冷たい雨がやってくるけど、
何もなかったかのようにひたすら下る、
5時のサイレンがなる頃、
大股の集落が見えてきた、
本日のお宿「津田民宿」に入ったのは5時半頃でした、
民宿の女将のおばちゃんは
「あまり遅いから警察に連絡しようかと思ってたんや」と、
今日は前半あまりにも景色がきれいで写真に時間をとったからなぁ、
でも取材の旅やからそりゃ仕方ないかな。
夕食はすき焼き、暖まります。
夕食後、ご主人さんからここ6~70年の事いろいろ聞けた、
もっともっと古い900年1000年代の熊野古道の事は本で勉強できるけど、
こんな近い過去は生き字引に聞くしかない、
こんな貴重な機会、もっと増やしていこう!